マサトです。
相続は、お金が絡んでいるということもあり、相続人間で争いに発展することがあります。
遺産分割の話し合いの際などに、誰がどのくらいの遺産を相続するのか、熾烈な争いが繰り広げられることもあります。
よくあるケースとしては、一部の相続人の遺産の使い込みです。
そのようなことがあった場合、どのように対応したらいいのでしょうか。
本日は、相続人が遺産を使ってしまった場合の対応について、お話しします。
「他の相続人が遺産を使い込んでしまったのですが、どうしたらいいですか?」
「遺産の使い込みを防ぐためには、どうしたらいいですか?」
相続人による遺産の使い込みがあった場合は、使い込んだ相続人に請求することが可能です。
ただ、遺産の種類は何なのか、いくらぐらいの使い込みがあったのかを証明しなければなりません。
話し合いで解決できればそれでいいですが、話し合いで解決しない場合は自分だけでは対応できないでしょう。
本記事では、遺産の使い込みに対する対応について解説します。
相続人による遺産の使い込みがあって困っているという方は、参考にしてください。
遺産の使い込みとは

遺産の使い込みって、どんなケースがあるんですか?

日々の支払いなどの少額のものから、不動産の売却などの高額なものまで色々なケースがあります。
使い込みというと、少し言い過ぎかもしれません。
よくあるケースとしては、普段の自分の買い物や支払に被相続人の預貯金や現金を使うといった、金額としては微々たるものが多いのです。
本人も、使い込んでいるという認識ではなく、面倒を見ている代償のように考えているかもしれません。
とはいえ、積み重なれば結構な金額になることは事実です。
また、もっと大きな金額、例えば不動産を売却してしまうといったことだってあります。
そうなると、数千万円という金額になってもおかしくありません。
使い込みの何が問題なのかというと、遺産を減らしてしまうことです。
他の相続人の相続分に影響を及ぼしてしまうのです。
では、使い込みがあった場合はどのように対応すればいいのでしょうか。
遺産の使い込みがあったときの対応

遺産の使い込みが発覚した場合、どのように対応したらいいでしょうか?

話し合いで済ますのがベストですが、最終的には裁判となります。
前述しましたが、話し合いで解決するのであれば、それが一番いい方法です。
具体的な金額を出すことは難しいと思いますが、だいたいこれくらいだろうからその分を返還してほしいと伝え、当事者が納得できるのであれば何の問題もありません。
通常通り、遺産分割で解決できます。
遺産分割については、こちらの記事をお読みください。
しかし、先ほどもお伝えしましたが、本人は使い込んでいるという認識はなく、使って当然と考えている可能性があります。
そのように考えている相手に、返してくれと言っても簡単に話がまとまるはずはありません。
また、遺産の存在自体を隠してしまう可能性だってあります。
そうなると、残りは訴訟を起こすしかありません。
不当利得返還請求か損害賠償請求です。
そこで問題となるのが、証拠となります。
例えば、通帳を確認してお金の流れを確かめる、不動産登記簿を取って確認するなど、証拠を集める作業が必要になります。
これは、中々一人では対応できません。
弁護士に依頼するのが間違いないでしょう。
弁護士に依頼すれば、上記のような証拠集めをしてくれるのはもちろん、催場などもすべて対応してくれます。
また、弁護士がつくことで相手方も真剣に対応するようになるでしょう。
遺産の使い込みを事前に防ぐ方法

遺産の使い込みを未然に防ぐ方法はないですか?

成年後見の申立などの方法があります。
正直、遺産の使い込みが発覚した後では、手遅れになってしまうケースもあります。
ですので、できれば未然に防ぐのが最も安全な方法です。
使い込みがある場合、大抵は被相続人の判断能力が低下しているときです。
判断能力がしっかりしていれば、そもそも使い込まれてしまうということはありません。
判断能力が低下してきて、財産管理を一部の相続人が行うようになることで、使い込まれてしまうというケースがほとんどなのです。
では、どうすればいいかというと、財産管理を相続人にさせないことです。
例えば、保佐人や後見人の選任を裁判所に申し立てるという方法があります。
選任されれば、弁護士などの専門家が財産管理を行うようになります。
申立に費用は掛かりますが、使い込みがあったときの被害額に比べれば、安いものです。
事前に遺産の使い込みを防ぎたいのであれば、保佐人や後見人の申立をするようにしましょう。
まとめ
遺産の使い込みは、金額の小さなものから大きなものまであります。
しかし、最も悲しいのは家族間で争いが発生することです。
被相続人の方も、家族間での争いなどは望んでいないはずです。
財産管理を第三者に任せてしまえば、そのような争いが発生することはありません。
心配な方は、事前に対策をしておきましょう。