マサトです。
債務整理を行っている法律事務所では、過払の業務と残債の業務があります。
任意整理とは、債務整理の一つの方法でパラリーガル業務でいえば残債業務に該当します。
任意整理の業務は、数あるパラリーガル業務の中でも最もパラリーガルの裁量範囲が広い業務の一つです。
もちろん、方針を決めたり決裁をするのは弁護士ですが、パラリーガルがほとんどの業務を行うのが、任意整理なのです。
では、任意整理業務で大切なことはなんだと思いますか?
最も大切なことの一つが、業者との関係性です。
「任意整理業務で大切なことはなんですか?」
「業者とはどんな関係性を築けばいいですか?」
任意整理業務は、パラリーガルの裁量範囲が広いためやりがいがあります。
業者によって対応が違うとはいえ、業務自体もある程度定型化されているでしょう。
したがって、パラリーガルの業務の中でも比較的取っ付きやすいほうだと思います。
しかし、パラリーガル業務であることに変わりはありません。
専門的な知識も経験も必要になります。
任意整理は依頼者の積立管理も重要

任意整理で気を付けるべき点などはありますか?

依頼者の積立管理が重要です。
任意整理業務は、最終的に業者と話し合いをして分割和解をすることになります。
毎月いくらの金額で、何回で支払っていくのかを約して、和解書面を交わします。
しかし、受任していきなり和解をすることは稀です。
なぜなら、積立を行うからです。
任意整理を行う人は、支払いが厳しくなってしまった人がほとんどです。
したがって、弁護士費用を一括で支払うことも難しいわけですね。
そうなると、分割で費用を支払うことになりますので、費用が充足されるまでは和解しないということになります。
また、実際に支払うことになったときに、本当に決めた金額を支払っていくことができるのかを確かめるためにも、積立をするのです。
積立ができているのかどうかを毎月確認し、できていない場合はご依頼者様に連絡して催促することが必要になります。
積立できない理由によっては、任意整理から方針を変更する必要があるかもしれません。
積立管理は、任意整理におけるパラリーガルの重要な業務です。
任意整理は業者との関係性を正しく理解するのが大切

業者との関係性は、何が大切なポイントですか?

業者と対立関係にならないということです。
離婚や交通事故といった事件の場合は、どっちがいくら負担するのかといった争いになります。
しかし、任意整理は違います。
任意整理の場合は、債務があることは確定しており金額に争いがあるということはほぼありません。
利息を付加するかどうかといった問題はありますが、争いになるほどの内容ではないです。
つまり、任意整理における業者との関係性は対立関係ではないということです。
むしろ、業者のほうが債権者となるので立場が上ということになります。
その関係性を理解せずに、こちらから一方的に主張ばかりしていては、和解が進まないばかりか業者との関係性も悪化してしまいます。
依頼者の利益のために行動しているのに、和解が長引いて利息が付いたり、業者から厳しい和解条件しか提示されなくなってしまっては、結果的に依頼者の不利益になってしまいますよね。
必要なことを主張するのはパラリーガルとして当然ですが、業者とバチバチにやりあってもなにもいいことはありません。
そのあたりのバランスを意識して、業務をすることが大切です。
まとめ
任意整理業務は、突き詰めていくと非常に奥が深い業務です。
また、経験を重ねるごとに成長していることを実感しやすいので、やりがいもあります。
テクニカルな方法などを駆使し、依頼者のためにベストな和解ができたときは、うれしくなります。
是非、任意整理業務を行っていただき、楽しさを感じていただければと思います。